シェフの坂東です。
先日、お客様からこんなことを言われました。「東京のレストランで食事するとき、食材がどこから来たのかって、あまり気にしたことがなかったんです。でもここで牡蠣を食べてから、産地って大事なんだなって初めて実感しました」と。
その言葉が、すごく嬉しかった。料理人として、それが伝わるのが一番うれしいことのひとつです。
9月も後半に入ると、三陸の海はじわじわと秋の気配を帯びてきます。水温が下がり始め、牡蠣が身を蓄え始める季節。私にとって、この時期の仕入れの連絡が一年でもっとも楽しみな瞬間のひとつです。今年も三陸の生産者さんから「今年の牡蠣、いい感じですよ」という知らせが届いています。
東京にいながら産地を感じる食事ができる——それがケラッセ東京のいちばん大切にしていることです。この記事では、秋の三陸食材の魅力と、新宿でどんなふうに旬のディナーを楽しめるかをお伝えします。
こんな方におすすめ
- ✅ 東京にいながら産地を感じる料理を楽しみたい方
- ✅ 秋の旬の牡蠣・魚介をしっかり味わいたい方
- ✅ 生産者とのつながりを持つ店で食事したい方
- ✅ 新宿でチェーン店ではない個性のある夜ごはんを探している方
- ✅ パートナーや友人と、少し特別な秋のディナーを過ごしたい方

秋の三陸牡蠣は、なぜおいしいのか
牡蠣は「Rのつく月においしい」という言葉があります。September、October、November……秋から冬にかけての月には確かにRが含まれています。言い伝えではありますが、理にかなっています。
三陸の牡蠣は、夏の間に海のプランクトンを食べながら成長し、秋になると水温の低下とともに身が引き締まり、旨みを凝縮させていきます。9月下旬から10月にかけては、その変化が始まるタイミング。夏牡蠣のさっぱりとした味わいから、秋牡蠣ならではのコクと深みへと移り変わる、ちょうど過渡期です。
私が毎年楽しみにしているのは、この変化を料理を通してお客様に感じてもらうこと。「先月と味が違いますね」と言ってもらえるとき、産地の季節が東京のテーブルに届いたんだな、と実感します。
三陸の牡蠣が豊かなのは、北上山地から流れ出る栄養豊富な河川の影響もあります。陸の恵みが海に注ぎ込まれ、牡蠣の餌となるプランクトンを育てる。あのリアス式海岸の複雑な地形が、穏やかで豊かな漁場をつくっています。産地を知ると、食べ方も変わります。
産地とのつながりを料理に反映させているとはいっても、「実際に季節ごとに何が変わるのか」は1本の記事では書ききれません。LINEにご登録いただくと、三陸から届いた旬の食材情報や季節限定メニューの案内をその都度お届けします。友だち追加は無料で、登録特典として生牡蠣10個盛りが半額になります。
「産地とのつながり」が、料理の言葉になる
ケラッセ東京では、三陸や岩手の生産者さんと直接連絡を取り合いながら仕入れをしています。震災後に東京から岩手へ移住して料理をしていた経験が、今もつながりの根っこになっています。
魚介だけでなく、肉も野菜も岩手・東北のものを選ぶことが多い。たとえば「ありすぽーく」という岩手産のブランド豚は、魚介メニューの多い当店で肉料理として提供すると、「これ、どこの豚ですか?」と聞かれることがよくあります。食材の背景を話すと、お客様の表情が変わる。それが好きで、この仕事を続けています。
産地とのつながりは、メニューに直接出ます。今の時期なら「三陸牡蠣はどんな状態か」「今週の鮮魚は何が届くか」——そういう情報が現場から直接入ってくるから、料理の内容を柔軟に組み替えることができます。固定メニューを並べるだけでは、旬はつかめません。
魚介レストランを選ぶときに産地・旬・調理法をどう見るかについて以前まとめた記事も参考にしていただければと思います。
✓ ここまでのポイント
- 秋の三陸牡蠣は水温低下とともに旨みが増し、9月下旬から味の変化が始まる
- 産地の生産者と直接つながることで、旬の状態に合わせた料理の組み換えが可能になる
- 食材の背景を知ることで、食事そのものの体験が変わる
秋の牡蠣・ウニ・三陸鮮魚を一度の食事でまとめて楽しみたい、という方には季節の10品コースが一番伝わりやすい形です。週末の席は早めに埋まることが多いため、食べログのWEB予約から空席を確認してみてください。
秋のテーブルに並ぶ、三陸の食材たち
9月下旬以降のケラッセ東京のテーブルには、こんな食材が並ぶことが多くなります。
まず牡蠣。生牡蠣はもちろん、焼き牡蠣、蒸し牡蠣と調理法を変えながらご提供しています。同じ牡蠣でも、調理法によって表情がまったく変わります。「生と蒸しって、こんなに違うんですね」という声は毎年いただきます。生・焼き・蒸し、自分に合う牡蠣の食べ方について詳しく書いた記事もあるので、来店前に読んでもらえると、当日の楽しみ方がさらに広がるかもしれません。
次に、三陸の鮮魚。大船渡から直送される魚は、その日の水揚げ状況によって変わります。カルパッチョやチョッピーノ(魚介のトマト煮)として提供することが多いですが、旬の魚の状態を見ながら調理法を決めるのが私のやり方です。「今日は何が入ってますか?」と聞いてもらえると、うれしい。
そしてウニ。三陸産のウニは濃厚で、ワインとの相性が特に良い。秋になると甘みがさらに乗ってきます。今年の秋の10品コースでは、ウニを複数の料理に組み込む構成を考えています。「ウニをこんなふうに料理で食べたことがなかった」という感想をよくいただくのが、このコースです。
牡蠣をさまざまな料理で楽しんだお客様の体験談も、コースのイメージをつかむのに参考になります。
新宿で「産地を感じるディナー」ができる場所
ケラッセ東京は、新宿の繁華街から少し離れた若松河田にあります。都営大江戸線・若松河田駅から徒歩3分。東京女子医科大学病院の近くといえばわかりやすいかもしれません。
賑やかな新宿の夜とは少し違う、落ち着いた住宅エリアの中に店があります。32席、個室はありませんが、テーブル間のゆとりは意識しています。夫婦やカップル、少人数の友人グループで、ゆっくり食事しながら話せる空間にしたいと思っています。
ワインは、料理に合わせて選べるよう揃えています。牡蠣や魚介に合うグラスワインを「今日の料理にはこれが合うと思います」と提案できるのも、料理を作っている側がそのまま接客しているからできることです。
営業は水曜日から日曜日・祝日の15時〜22時。月曜・火曜は定休日です。秋の週末、夕方から始めるゆっくりとしたディナーに、ぜひ使ってもらいたい時間帯です。
まとめ:秋の三陸を、新宿のテーブルで
産地を感じる食事というのは、特別なことではないと思っています。「どこの牡蠣か」「今の季節に何がおいしいか」——そういうことを料理人が正直に伝え、お客様がそれを楽しんでくれる。その積み重ねが、東京の食卓に産地をつなぐことだと考えています。
業界経験30年の中で、三陸との関係は私の料理の根っこになっています。今年の秋も、岩手の海と大地からいいものを届けてもらいながら、新宿のテーブルで一皿一皿を作っていきます。
ご予約・お問い合わせはお電話でもお気軽にどうぞ。
03-6380-0253
「東京にいながら産地を感じる」という食事を、今年の秋に一度体験してみてほしいと思います。三陸牡蠣・ウニ・旬の鮮魚を組み合わせた季節の10品コースは、ご予約から空席の確認・席の確定まで食べログのWEB予約ページからできます。
