シェフの坂東です。
先日、常連のお客様から「最近どこで食べても同じような料理ばかりで、正直少し飽きてきた」とポツリとこぼされました。そのお客様は外食が好きで、月に何度かいろいろな店を試されているそうです。でも「この一皿、久しぶりに驚いた」という体験がなかなかないとおっしゃっていて。
その言葉が頭に残り続けました。メニューを固定することで安心感は生まれます。でも季節が変わっても同じ料理が並ぶ店では、お客様は「また同じだね」と感じてしまう。それは食材の話であると同時に、料理人の姿勢の話でもあると思うんです。
ケラッセ東京では開業以来、季節ごとに料理の内容を変え続けています。三陸や岩手・東北の生産者と直接つながり、その時期に最もおいしい食材を仕入れて、コースの一皿一皿をその都度組み立てていく。これが私なりの「飽きさせない」への答えです。
この記事では、秋のディナーシーズンを前にした今、季節のコース料理をどう楽しむか、そして「旬」という言葉の実質的な意味を料理の観点からお伝えしたいと思います。
こんな方におすすめ
- ✅ 外食しても似たような料理ばかりで新鮮味がないと感じている方
- ✅ 季節ごとに料理が変わるコース料理を体験してみたい方
- ✅ 三陸・東北の旬食材を東京で味わいたい方
- ✅ 夫婦や友人と、少しだけ特別なディナーを楽しみたい方
- ✅ ワインと合わせて食事をじっくり楽しみたい方

「旬の食材」は概念ではなく、具体的な一皿のことです
「旬の食材を使っています」という言葉はどの店でも聞きます。でも実際のところ、食材の産地や収穫時期が変わっても、メニューの構成がほとんど変わらない店は少なくありません。旬、という言葉が看板だけで終わっている。
私が三陸の生産者とつながり続けているのは、そこで育つ食材の「今の状態」を知るためです。たとえば牡蠣は夏から秋にかけて身が充実してくる。三陸の海水温が下がり始める秋口には、脂がのって甘みが増したウニが取れる時期とぴったり重なります。この時期にしか成立しない組み合わせがある。
9月下旬の今、三陸では秋の気配が色濃くなってきています。牡蠣は夏の疲れを抜け、身が厚みを取り戻す頃です。鮮魚も夏魚から秋魚へと主役が入れ替わる。東北の山から届く野菜や茸も出始める時期です。この変化を一皿ずつの形にしてお出しするのが、ケラッセ東京のコースの考え方です。
なぜ私が三陸の食材を東京で料理し続けるのか、その背景と考え方についても別の記事で書いていますので、合わせて読んでみてください。
「どこで食べても同じ」という感覚がなかなか抜けない、そう思いながらここまで読んでくださっているかもしれません。ケラッセ東京のLINEでは、季節ごとに変わるメニュー情報やイベント・キャンペーン情報をお届けしています。友だち追加で「生牡蠣10個盛り」が半額になる特典もあります。登録は無料で、1分もかかりません。
コース料理で「一皿ずつ」味わうことの意味
単品でオーダーする食事と、コースで食べる食事は体験として別物だと思っています。コースには「流れ」があります。軽いものから始まり、徐々に味の厚みが増し、メインへ向かって高まっていく。その流れをきちんと設計することで、料理一皿一皿がより立体的に感じられるようになる。
ケラッセ東京の季節のコースは10品構成です。最初に生牡蠣やカルパッチョのような「素材そのもの」を楽しんでいただき、途中でスープや温かい一皿を挟んで、パスタや肉料理、仕上げへとつないでいきます。各皿のボリュームは控えめにしているので、最後まで食欲が続く。
重要なのは、この構成が季節によって変わるという点です。夏のコースと秋のコースでは、食材も調理法も、味の組み立て方も変わります。秋なら、魚介には少し火を入れて旨みを引き出す料理が増え、野菜や茸と組み合わせることで土の香りと海の香りが一皿の中で合わさる。そういう「この季節にしかできない理由」を持った料理を出したいんです。
実際にコースを楽しまれたお客様の体験談もご参考にしていただけます。牡蠣をさまざまな調理法で楽しんだ感想をリアルに書いてくださっています。
✓ ここまでのポイント
- 「旬」とは看板の言葉ではなく、その時期の食材の状態を知り、一皿として形にすることで初めて意味を持つ
- コース料理は「流れ」があるため、一皿ずつを単品で食べるより素材の個性を感じやすい
- 季節ごとにコースの構成ごと変わる店では、来るたびに異なる体験が生まれる
秋の三陸食材がコースに揃うこの時期、実際にどんな一皿が並ぶのか気になってきたところかと思います。食べログからWEB予約で席とコースの内容を確認できます。空席状況の確認と来店日時の確定まで、そのまま完結できます。
秋のコースで使いたい、三陸の食材について
少し具体的な話をします。9月下旬から10月にかけて、ケラッセ東京が使う三陸・東北の食材はどう変わるか。
まず牡蠣。夏を超えて秋に向かうこの時期の三陸産牡蠣は、身が引き締まってクリーミーさが戻ってきます。生牡蠣はもちろんですが、蒸したり焼いたりすることで旨みが凝縮される秋の牡蠣は、ワインと合わせたときの輪郭がはっきりしています。
次にウニ。三陸のウニはこの時期、漁の後半に差し掛かります。甘みと磯の香りのバランスが一年の中でも整っている時期で、私が「ウニ尽くし」という形でコースに組み込んでいるのも、この時期のウニが特にワインと合わせやすいからです。
そして鮮魚。夏に旬だった魚が落ち着き、秋の魚がシーズンに入ってきます。三陸沖で取れる脂がのった魚は、カルパッチョより少し火を加えたソース料理として出したほうが、この季節の空気感に合う。外が涼しくなってきた頃に、温かい魚介料理を口にするあの感覚は、秋のコースでしか出せないものです。
ありすぽーくをはじめとした岩手の肉、季節の野菜や茸も加わります。岩手の山と海、両方から食材が来ることで、コースの中に奥行きが生まれます。
「飽きない外食」を選ぶときに見るべきポイント
「どこで食べても同じ」という感覚の正体は何でしょう。私はそれを「定番が固定されている店を選びすぎること」だと思っています。安定感があって悪くない。でもそれが続くと、食事が「消費」になってしまう。
季節のコースがある店を選ぶというのは、「今この瞬間にしかない料理を食べにいく」ということです。これは高級かどうかとは別の話で、料理人が季節と食材に向き合い、その都度メニューを更新しているかどうか、という姿勢の問題です。
来店を検討されるとき、いくつか確認してみてください。コースの内容は時期によって変わっているか。産地の情報がある程度開示されているか。「旬」という言葉の中身が何か、聞ける雰囲気があるか。これだけで、その店が食材に向き合っているかどうかが見えてきます。
ワインと料理のペアリングという観点でも、季節感のある料理のほうが選択肢が広がります。魚介とワインを合わせる楽しみ方についても別の記事でまとめていますので、ディナーの参考にしていただけると嬉しいです。
まとめ|秋の食卓を、一皿ずつ味わってほしい
「また同じだった」という外食の後の感覚は、食材や店の問題というより、選び方の問題かもしれません。季節が変わるたびに料理が変わる店を選ぶことで、同じ金額、同じ時間の外食がまったく違う体験になります。
9月末、三陸の秋食材が揃い始めるこの時期に、ケラッセ東京のコースはちょうど秋の構成へと移行しています。牡蠣、ウニ、秋の鮮魚、岩手の肉と野菜を組み合わせた10品は、若松河田の静かな夜に食べるのにちょうどいい料理たちだと思っています。
新宿から少し歩いた余丁町の店で、夫婦やカップル、あるいは久しぶりに会う友人と、季節の一皿をゆっくり楽しんでみてください。
ご予約・お問い合わせはお電話でも承っています。
📞 03-6380-0253
(営業時間:水〜日・祝日 15:00〜22:00 / 月・火定休)
「今しか食べられない料理」を選ぶ、ということの具体的なイメージが掴めたなら、次は実際に席を確保することが唯一の行動です。秋の牡蠣・ウニ・三陸鮮魚が揃う10品コースは、週末を中心に埋まりやすくなっています。WEB予約から来店希望日を押さえてください。
