厳選した三陸魚介を東京へ|ケラッセ東京が産地を大切にする理由

「このワイン、料理に合いますか?」と聞いてみたものの、ざっくりした答えしか返ってこなかった経験はありませんか。あるいは、せっかく気に入ったワインを頼んだのに、テーブルに並んだ料理との組み合わせがしっくりこなくて、どちらも中途半端に終わってしまった夜。ワインバーなら料理が物足りなく、レストランではワインの選び方が分からない——そんなはざまに落ちてしまうことは、意外と多いものです。

シェフの坂東です。ケラッセ東京では開業以来、三陸をはじめとする東北の食材を軸に料理をつくり続けてきました。その背景には「この食材だからこそ、このグラスが合う」という確信があります。今回は、私たちが産地とのつながりをどれほど大切にしているか、そしてその食材選びがなぜワインとの組み合わせに直結するのかを、できるだけ具体的にお話しします。

こんな方におすすめ

  • ✅ ワインも料理もどちらも満足できる店を探している方
  • ✅ 三陸や東北の食材を東京で味わいたい方
  • ✅ 産地へのこだわりがある店で食事したい方
  • ✅ 新宿周辺で落ち着いたディナーを楽しみたい方
  • ✅ 牡蠣・魚介料理とワインの組み合わせに興味がある方
厳選した三陸魚介を東京へ|ケラッセ東京が産地を大切にする理由 | 三陸ワイン食堂 ケラッセ東京

「産地が分かる食材」がワインを活かす

料理とワインの相性をよく「ペアリング」と言いますが、私はそれを技術論として考えていません。食材そのものに個性があれば、合わせるワインは自然と絞られてくるからです。

たとえば、三陸の牡蠣。同じ「牡蠣」でも、岩手の宮古湾や唐丹で育った牡蠣と、他の産地のものでは、塩みの深さ、ミルクのような甘みのバランスがまるで違います。産地が明確で、その年の海の状態や収穫時期まで把握しているからこそ、「この牡蠣にはミネラル感のある辛口白ワインを合わせよう」という判断が生まれます。素性の分からない食材では、この判断はできない。

私が三陸へ足を運び続けるのも、その「素性を知る」ためです。生産者の顔を見て、海の話を聞いて、実際に食べて確認する。東京にいながらデータだけで仕入れを判断するのとは、料理への落とし込み方がまったく変わってきます。魚介の仕入れで大切にしていることについては別の記事でも詳しく書きましたが、「旬の素材を選ぶ」とはすなわち、産地との関係性を積み上げることだと思っています。

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三陸を選ぶ理由——食材の力がそのまま料理の力になる

三陸沖は、親潮と黒潮がぶつかる海域です。栄養豊富なプランクトンが集まるこの環境が、牡蠣や魚介の旨みを育てます。ただ、それだけではありません。私がこの産地にこだわる理由は、震災後に岩手へ移住し、現地で料理をしながら過ごした時間にあります。

土地の空気を吸い、漁師と話し、食卓を共にした経験は、食材への見方を根本から変えました。「良い食材を仕入れる」ではなく「この人たちが手をかけたものを、東京でどう料理するか」という問いに変わった。その感覚は今も変わっていません。

現在も岩手・宮城の生産者と継続的につながりながら、三陸牡蠣、三陸鮮魚、ワタリガニ、ありすぽーく、岩手の野菜などを仕入れています。季節によって内容は変わりますが、10月は秋の気配が深まる中、牡蠣の身入りが増してくる時期。旨みが凝縮されはじめた牡蠣は、コクのある白ワインとの相性が際立ちます。

こうした産地との関係について、なぜ私は三陸の食材を東京で料理するのかという記事でも率直に書いています。料理人としての軸がどこにあるか、読んでいただければ伝わると思います。

✓ ここまでのポイント

  • 産地が明確な食材は個性がはっきりしており、ワインとの組み合わせが決まりやすい
  • 三陸の食材は、生産者との直接的なつながりがあってこそ、その魅力を料理に反映できる
  • 10月は牡蠣の旨みが増す時期。食材の変化がそのままメニューの変化につながる

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ワインバーとレストランのはざまを埋める、食材の役割

ワインバーで物足りなさを感じるのは、多くの場合、料理が「ワインを飲むための添え物」になっているからです。逆に、レストランでワインを楽しみにくいのは、料理が主役に立ちすぎていて、グラスがうまく寄り添えないことが多い。

私がケラッセ東京で目指しているのは、この二つのどちらでもない食卓です。三陸牡蠣や旬の魚介、岩手の肉や野菜といった食材には、それぞれ固有の味わいと香りがあります。その個性を丁寧に引き出した料理には、自然とワインが呼応する。「この料理にはこのワインを合わせてほしい」という提案が、食材の質と調理の積み重ねから生まれてくるのです。

たとえば生牡蠣ひとつ取っても、三陸の冷たい海で育った牡蠣の塩みとミネラル感は、シャブリや辛口のアルバリーニョと合わせると、互いの良さを引き出し合います。焼き牡蠣や蒸し牡蠣なら、少しふくよかな白や軽めの赤も面白い。料理の調理法によってワインの選択肢が広がるのも、素材の個性がしっかりしているからこそです。

三陸の魚介がおいしい5つの理由にも書きましたが、産地の環境と食材の質には必然的なつながりがあります。その質の高さが、テーブルの上でワインと料理を結びつける力になっています。

食材が変わると、テーブルの会話が変わる

産地へのこだわりが料理に反映されると、お客様の食卓で起きることが変わります。「これはどこの牡蠣ですか?」「このお魚、さっぱりしているのに後から旨みがきますね」——そういった会話が生まれるようになる。料理が単なる食事ではなく、話のきっかけになるのです。

夫婦で来られた方が、料理の産地や調理法に興味を持って会話が弾んだ、という場面は何度も見てきました。そういう時間を生み出せるのは、食材の背景がきちんと料理に乗っているからだと思っています。

ケラッセ東京の季節の10品コースは、三陸牡蠣・鮮魚・ウニを中心に、岩手の肉や野菜を組み合わせた構成です。一皿ごとに調理法が変わり、それに合わせてグラスも変えていただける。ワインと料理の両方を、一つの食事として楽しんでいただける組み立てを意識しています。

まとめ——産地を知ることが、一番のペアリングになる

三陸の食材を東京の食卓に届けるために、私は産地との関係を積み上げ、食材の素性を知り続けることを大切にしています。それは料理の味を安定させるためだけではなく、ワインとの組み合わせを自然に成り立たせるためでもあります。

「ワインも料理も、どちらも楽しみたい」という気持ちに応えるには、どちらかを主役にするのではなく、食材そのものの力を引き出すことが一番の近道だと、30年料理をしてきた今も思っています。

秋が深まるこの時期、牡蠣の旨みも増してきます。ぜひ一度、三陸の食材とワインが一緒に並ぶテーブルを体験しにきてください。ご予約・お問い合わせはお電話でも受け付けています。
📞 03-6380-0253

(都営大江戸線・若松河田駅 徒歩3分 / 水〜日・祝日 15:00〜22:00 営業)

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