料理人としての失敗から気づいた「旬の食材を生かす」ということ

料理人として30年近くキャリアを積んだ今でも、ふと思い出す失敗があります。「旬の食材を使っているはずなのに、なぜか料理に力がない」——この感覚に何年も悩み続けた時期がありました。

シェフの坂東です。

実は、料理人が「旬の食材を使った」と言う場合のうち、産地や生産者まで把握して食材を選んでいるケースは、業界全体でそう多くはありません。市場を通じて届いた「旬」の食材を使っていても、どこで、誰が、どういう状態で育てたかを知らないまま調理している——私もかつてそのひとりでした。その気づきが、今の料理の作り方を根本から変えました。

こんな方におすすめ

  • ✅ 東京にいながら産地を感じられる料理を楽しみたい方
  • ✅ 食材の産地や生産者を意識してお店を選んでいる方
  • ✅ 「旬の料理」が具体的に何を意味するのか知りたい方
  • ✅ 牡蠣や魚介をただ食べるだけでなく、背景まで味わいたい方
  • ✅ 新宿周辺で、個性のある食事ができるレストランを探している方
料理人としての失敗から気づいた「旬の食材を生かす」ということ | 三陸ワイン食堂 ケラッセ東京

「旬」という言葉に甘えていた、料理人の失敗

料理の世界に入って10年が経った頃、私はあるお客様に言われた一言がずっと引っかかっていました。「おいしいんだけど、なんか記憶に残らない料理だね」。その方は悪意があったわけではなく、正直に感想を話してくれたのだと思います。でも当時の私には、その言葉の意味がわかりませんでした。

食材は間違いなく旬のものを使っていた。調理の技術も磨いていた。盛り付けも丁寧にしていた。では何が足りなかったのか。

答えに気づいたのは、震災後に東京から岩手へ移り、三陸の生産者の方々と直接話す機会を得てからです。牡蠣の養殖に携わる方が、「今年は水温がこう変わって、貝の育ちがこう違う」と話してくれる。鮮魚を扱う方が、「この時期のこの魚はここが違う」と教えてくれる。市場に届いた段階では決してわからない、食材の「文脈」がそこにありました。

私がそれまで使っていた「旬」は、カレンダー上の旬だったのだと気づきました。本当の旬とは、産地と生産者と気候と、その年の状態が重なったときにしか生まれないものでした。

産地の名前が書いてあっても、それが本当に皿の上の味につながっているかは食べてみるまでわからない——そう感じている方も多いのではないでしょうか。LINEを友だち追加すると、三陸食材を使った季節メニューやイベント情報をタイムリーに受け取れます。友だち追加は無料で、登録後すぐに生牡蠣10個盛り半額の特典も届きます。

LINE友だち追加で三陸の旬情報を受け取る(生牡蠣10個盛り半額特典あり)

三陸との継続的なつながりが、料理の「厚み」を変えた

岩手での経験を経てケラッセ東京を開いたのが2018年。以来、三陸の生産者や地域との関係は今も続いています。牡蠣ひとつとっても、養殖の方が「今年の貝は身がしっかりしている」「塩味が強めに出ている」と連絡をくれるので、それを調理法に反映させることができます。

たとえば、身の張りが強い時期の牡蠣は生でそのまま食べてもらうのが一番だと思っています。逆に、旨みが凝縮している時期は蒸すことで甘みが増す。同じ牡蠣でも、産地の状態を知っているかどうかで、皿の上での表現が変わってきます。

大船渡から直送される鮮魚も同様です。その日の漁の状況によって届く魚が変わるので、決まったメニューに押し込むのではなく、届いた魚を見てから料理を考えるようにしています。これは効率的ではないかもしれないけれど、そうしないと「産地の味」は皿の上に乗らない、と今は確信しています。

なぜ私が三陸の食材を東京で料理することにこだわるのか、その理由についてはケラッセ東京・坂東誠のこだわりとして別の記事で詳しく書いています。

✓ ここまでのポイント

  • 「旬の食材」を使うだけでは不十分で、産地・生産者との継続的なつながりがあって初めて料理に「文脈」が生まれる
  • 三陸の生産者からリアルタイムの情報を得ることで、食材の状態に合わせた調理法を選べる
  • 市場経由ではわからない「その年の食材の個性」を皿の上に反映させることが、記憶に残る料理につながる

秋の三陸食材の「切り替わり」の話まで読んでいただいた今、「実際にこの時期に何が食べられるのか」が気になっているはずです。LINEに登録すると、季節ごとのメニュー変更情報や限定企画をその都度お知らせしています。無料で追加でき、旬のタイミングを逃さずに動けます。

LINEで今の季節メニューを確認する(無料・生牡蠣半額特典つき)

9月の三陸食材は、実は一年でも面白い時期

この記事を書いているのは9月下旬。三陸では秋の走りといえる時期です。夏の水温が落ち着き始め、牡蠣は身が締まってくる。魚介の種類も変わり始める季節で、個人的にはこの時期の食材の「切り替わり」がとても好きです。

お客様の中には、「牡蠣は冬のもの」というイメージを持っている方も多い。確かに冬の牡蠣は濃厚で素晴らしいのですが、秋口の牡蠣はまた別の良さがあります。すっきりとした甘みと、磯の香りのバランスが独特で、ワインとの相性という点では秋の牡蠣を気に入るお客様も多いです。

牡蠣料理の多様さについては、生牡蠣だけじゃない牡蠣料理の本音という記事でも書いています。生・焼き・蒸しと、調理法によって全く異なる表情を見せるのが牡蠣の面白さです。

また、秋は魚介とワインの組み合わせを考えるのも楽しい時期です。三陸の食材には、重すぎず軽すぎない白ワインが合うことが多い。ワインと三陸魚介の組み合わせについても、料理人の視点からまとめているので参考にしてみてください。

「産地を感じる」とはどういうことか、皿の上で示したい

最近、食材の産地や生産者を意識してお店を選ぶお客様が確実に増えていると感じます。メニューに「三陸産」「大船渡直送」と書いてある店は増えましたが、その言葉がどれだけ実態を伴っているかは、食べてみないとわからない部分もある。

私が大切にしているのは、「産地の名前を書くこと」ではなく、「産地の味がわかること」です。お客様が一口食べたときに「あ、これは海の近くで育ったものの味がする」「今の季節にしか出ない味だ」と感じてもらえること。それが私の言う「産地を感じる料理」の意味です。

ケラッセ東京では、三陸産の牡蠣や鮮魚を中心に、岩手・宮城など東北の旬食材を組み合わせたコース料理を提供しています。季節の10品コースでは、ウニと三陸の牡蠣・魚介を軸に、その時期にしか食べられない組み合わせを一皿ずつ重ねていく構成にしています。夫婦やカップルで、ゆっくり産地の味を追いかけながら食事してもらえると、料理人として本当にうれしいです。

まとめ:失敗から学んだ、旬の本当の意味

「旬の食材を生かす」ということは、カレンダーを見ることではなく、産地の今を知ることだと気づいてから、料理に対する向き合い方が変わりました。三陸の生産者との関係は、私にとって単なる仕入れルートではなく、料理の中身そのものに関わるものです。

東京にいながら産地の味を感じてもらいたい——この思いがケラッセ東京の料理の出発点です。若松河田駅から徒歩3分という立地にありながら、皿の上では三陸の海と季節を感じてもらえる場所にしたいと、今も思っています。

ご予約・お問い合わせはお電話でも受け付けています。
📞 03-6380-0253(営業時間:水〜日・祝日 15:00〜22:00)

産地を感じる料理を、東京で体験したいという気持ちがこの記事を最後まで読ませたのだと思います。三陸の牡蠣・魚介・旬食材を組み合わせた10品コースは、WEBから空席確認と予約が完結します。夫婦や友人との食事、記念日の利用にも対応しています。

ケラッセ東京の空席を確認してWEB予約する

前の記事失敗談から学んだ牡蠣料理|素材の良さだけではおいしい一皿にならない理由
次の記事【10月で終了】松茸・アワビ・ウニ、秋の贅沢を食べ逃しなく!@ケラッセ東京