「魚介料理が好きなのに、レストランのメニューを開くと魚が2〜3品しかない」——そう感じた経験はありませんか?
実は農林水産省の「水産白書(2023年版)」によると、国民一人あたりの魚介類消費量はピーク時(2001年)の約40kgから、2022年には約23kgへと40%以上も減少しています。飲食店の現場でも、メニューの魚介比率が下がり続けているのは、こうした流れと無縁ではないでしょう。
シェフの坂東です。若松河田駅から徒歩3分、新宿の住宅街に構えるケラッセ東京を営んで8年。三陸・岩手の生産者と直接つながり、牡蠣・鮮魚・ウニを中心とした魚介料理を複数の調理法で提供し続けてきました。
今回は「三陸の魚介がなぜおいしいのか」を5つの角度から掘り下げながら、東京で旬の魚介を”料理として”存分に楽しむとはどういうことかをお伝えします。
こんな方におすすめ
- ✅ 魚介料理がメニューに数品しかなく、物足りなさを感じている方
- ✅ 三陸・東北の食材を東京で食べたいと思っている方
- ✅ 牡蠣や鮮魚をさまざまな調理法で楽しみたい方
- ✅ ワインに合う魚介料理を一度の食事でしっかり味わいたい方
- ✅ 旬を意識した、季節感のあるディナーを探している方

理由① 三陸は「リアス式海岸×豊富な栄養」という掛け算の海
三陸沿岸の漁獲量は、岩手・宮城・青森の3県合計で国内でも上位に入る水域です。理由は地形にあります。リアス式海岸の複雑な入り江は波を穏やかにし、牡蠣やホタテの養殖に理想的な環境をつくります。さらに北上山地を流れ下る河川が豊富なミネラルを海へ届け、プランクトンの発生を促す。この「波が穏やか×栄養豊富」という掛け算が、身の甘みと旨みの濃さに直結しています。
ぼくが初めて三陸の牡蠣を産地で食べたとき、まず驚いたのは「乳白色の密度」でした。口に入れた瞬間のミルキーさは、スーパーで買えるものとは別物。産地と直接つながっていないと、この状態で東京に届けるのは難しいと、そのとき確信しました。
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理由② 旬の時期が明確で、素材のピークを外さない
魚介の「旬」は、産地ごとに数週間単位でずれます。三陸牡蠣であれば、岩手・宮城産の養殖牡蠣は秋冬から春にかけてが身入りのピーク。夏場は岩牡蠣や別産地の牡蠣に切り替えることで、年間を通じて状態のよい牡蠣を提供できます。
ところが多くのレストランでは、産地や季節を問わず「牡蠣料理一皿」として通年固定されているケースが少なくありません。食材の状態が変わっているのに、メニューが変わらない——これが「魚介が何となくおいしくない日」の一因でもあります。
ケラッセ東京では、現在(8月下旬)であれば夏の岩牡蠣とウニを軸に据えながら、三陸の旬魚を組み合わせた構成にしています。季節ごとに内容を更新するのは手間がかかりますが、旬を外した食材を出すほうが、長い目で見て店への信頼を損ないます。料理をつくる側の都合よりも、素材が一番おいしいタイミングを優先する——それが30年やってきて変わらない考え方です。
理由③ 一皿の魚介料理ではなく、「複数の調理法」で素材を見せる
「魚介料理をいろいろ食べたい」というお客様からよく聞くのが、「魚料理は頼んだけれど、もう一皿ほしかった」という声です。一般的なレストランでは魚のメイン料理が1〜2品に絞られるため、魚介好きの方には物足りなさが残りやすい。
三陸の食材を東京で最大限に活かすには、一つの素材を「生で・焼いて・スープにして」と複数の調理法で見せることが有効です。たとえば牡蠣なら、生牡蠣でミルキーな旨みを感じ、焼き牡蠣で香ばしさと凝縮感を楽しみ、チョッピーノ(魚介のトマト煮込み)に入れれば出汁として全体を支える存在になる。一つの食材が調理法によって全く別の顔を見せる、その変化こそが魚介料理の醍醐味です。
ウニについても同様です。ウニ尽くしと銘打ってコースに組み込むのは、生の状態だけでなく、ソースや仕上げの一要素として複数の場面で登場させることで、「ウニってこういう使い方もあるのか」という発見を届けたいからです。
✓ ここまでのポイント
- 三陸の海は地形と栄養の掛け算で、魚介の旨みが凝縮されやすい環境にある
- 旬のピークを外さずに素材を仕入れることが、魚介料理の「おいしさ」の土台になる
- 一つの食材を複数の調理法で見せることで、魚介を一食事のなかで深く楽しめる
三陸の旬をどう複数の調理法で見せるか、実際に食べてみると理解がぐっと深まります。WEB予約では席の空き確認からコース内容の確定まで、その場でまとめて完了できます。スマートフォンから数分で予約が取れます。
理由④ 生産者とのつながりが、品質の「再現性」を生む
東京の飲食店が産地の食材を使うとき、多くの場合は卸業者を介したルートになります。それ自体は悪いことではありませんが、仲介が多いほど情報は薄まり、「なぜ今日の牡蠣はこの産地なのか」「今年の水温が身の味にどう影響しているか」という背景が届きにくくなります。
三陸の生産者と直接やりとりしていると、情報の解像度が全く変わります。「今年は夏の台風が少なかったから、プランクトンが豊富で牡蠣の身入りがいい」「今月は水揚げのタイミングで○○が多く入る」——こうした現場の声が、メニュー構成に直接反映されます。
ぼく自身、震災後に東京から岩手へ移住して料理をした経験があります。その時期に築いた生産者との関係は、今も続いています。一度つくった縁を大切にして、毎年現地に足を運ぶ——これが「今日の魚介がおいしい」という再現性を支えていると、経験から実感しています。
理由⑤ 食材の輸送時間と「鮮度の設計」が味を決める
東京と三陸の距離は、車で約5〜6時間。決して近くはありませんが、現代の輸送環境では翌日に新鮮な状態で届けることが可能です。問題は「届いてからどう扱うか」です。
鮮魚は届いた瞬間から状態が変化し始めます。生牡蠣であれば温度管理が命。カルパッチョに使う白身魚であれば、〆加減と切り出しのタイミングが食感と旨みに直結します。「新鮮な食材を仕入れた」だけでは料理は完成しない——仕入れてから皿に乗るまでの扱い方が、最終的な味を決めるのです。
業界経験30年で学んだことの一つは、「素材の良さを壊さない技術」の重要性です。三陸の食材が持つポテンシャルを最大限に引き出すために、過度な加工を避け、素材の状態を見ながら調理の手数を選ぶ。これが、東京で三陸の魚介を「旬のまま」届けるための、地味だけれど外せないプロセスです。
まとめ|魚介を「一品」で終わらせない食事を、東京・新宿で
三陸の魚介がおいしい理由は、海の地形と栄養・旬の明確さ・複数の調理法・生産者との信頼関係・輸送後の鮮度設計、この5つの積み重ねです。どれか一つが欠けても、素材の良さは皿の上で活かしきれません。
「魚介料理を数品じゃなくて、コース全体でしっかり楽しみたい」——そのニーズに応える場所として、ケラッセ東京は今年8年目を迎えました。旬の三陸食材を軸にしたコースでは、牡蠣・ウニ・鮮魚をカルパッチョ、焼き物、スープ仕立てなど複数の調理法で組み立て、一度の食事の中で魚介の多面的な魅力を感じていただける構成にしています。
新宿エリアで「魚介をいろいろ食べられる店」を探しているなら、ぜひ一度ご来店ください。若松河田駅から徒歩3分、営業は水〜日の15:00〜22:00です。
ご予約・お問い合わせはお電話でも承っています:03-6380-0253
五つの理由を読んで、「実際に三陸の魚介を料理として食べてみたい」という気持ちが固まった方は、まず席を確保するのが先決です。WEB予約から来店日時とコースを選ぶだけで、新宿・若松河田での旬の魚介ディナーが確定します。
